サラリーマンのすらすらIT日記

IT関連を中心とした日々を綴ります。
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2012/05/03

代数・幾何・解析の融合が数学

図書館で借りていた「輓近代数学の展望」は、返却期限が来たので先日返却しました。まだ最後まで読んではいませんでしたが。といっても最後の方はかなりレベルが高い。複素多様体の小平理論が書かれていて、とてもついていけません。なので最後の方は流し読みです。通読してみて強く感じたのは、現代数学は、代数学と幾何学と解析学が融合した奥深い学問だということです。

大学での純粋数学に関する専門教育では、代数学、幾何学、解析学の3つの分野に分けられた講座体系になっています。3つの分野すべての基本的な内容を一通り受講したあと、専門分野を自分で決めてどれを専攻するかを選択します。学部生レベルだと、この3つの分野が深いところで相互に関係しているという事実はわかりません(教官が教えてくれれば別ですが、それはなかった)。なので、相互に考え方や理論は使うものの、全く別の到達点に行き着く"別物"と思っていました。

ただそうはいっても相互に関係する部分があるように感じたこともありました。例えば幾何学の講座で多様体論を学んだ時のこと。テキストを読み進めると、微分形式の定義があって、そのあとに微分形式上の積分ということを論じていて、解析学の世界に行ってしまうこと。あるいは微分方程式論の本を読んだ時、多様体論が出てくることもありました。またド・ラームの定理はトポロジーと微分形式の関係を示したもの、という事実を知った時もそう。そういう相互の関連性を時折感じながらも、証明の流れを自分で追いながら数学書を読み進めていくのに必死で、全体像をつかむ余裕がないことが多く、あっという間に学部を卒業となりました。

社会人になって少し余裕が出てくると、再び数学書を繙くようになりました。社会人ですから証明の流れを逐一追うような読み方はせず、もっぱら全体像をつかむのが目的といった読み方に変わりました。するとわかってきたのが、代数学・幾何学・解析学が相互に関係し合うという事実。例えばトポロジーの初歩で習う射影空間。球面の対蹠点を同一視するといったトポロジー的な定義で導入されるので、学部時代は「人為的に作った不思議な多様体」というだけの認識しかなかったのが、実は代数方程式が斉次式である場合、その零点の集合である代数多様体は射影空間に埋め込んで考えることができるといった事実を知って驚くとともに、こんなに深い意義があったのかと感動したものです。

「輓近代数学の展望」では、こういった代数学・幾何学・解析学の深い部分の関係をうまく解説していて、数学の深遠さを垣間見ることができます。それはこの本が証明を述べるだけのよくある数学書ではなく、その理論が生み出された背景などを紹介しながら、理論を説明していくという流れになっているからです。この本の巻末では、多くの数学者が若い頃にこの本に出会ったことをいい体験だったと紹介しています。私も、もっと早くこの本に出会いたかった。今となっては少し悔しい思いもありますが、数学の素晴らしさ、奥深さを知ることができる名著だと感じました。

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