2012/06/22
アンドリュー・ワイルズのその後
先日、藤原正彦さんの文庫本エッセー集「大いなる暗愚」を買いました。同氏の本を買うのは久しぶりです。帰りの電車内でエッセーを読んでいくうち、「天才の寿命」と題するエッセーに、アンドリュー・ワイルズ氏のことが書かれていました。ワイルズ氏は言うまでもなく、数学史上まれに見る難問「フェルマーの最終定理」を証明して、全世界を驚かせた数学者です。この難問が解決されて15年余りたつわけですが、当のワイルズ氏は今どうなのかということが、このエッセーに書かれています。
難問が解決された頃、藤原氏が友人のイギリス人数学者とワイルズ氏について語る中で、「(ワイルズ氏は)まだ41歳だからこれからが楽しみだ」と言ったところ、このイギリス人数学者は「アンドリューはもう何もできないと思う」と寂しそうに言った。極度の集中を8年間続けて、燃え尽きてしまったはず、とのこと。実際、ワイルズ氏の研究活動は止まっているらしい。
このエッセーでは、さらに2003年にポアンカレ予想を解決したロシア人数学者ペレルマンのことにも触れており、彼もワイルズ同様、燃え尽きたのではないかと書かれています。
細く長く生きる数学者もいれば、この二人のように太く短く生きる数学者もいるということでしょう。太く短くというと、早逝したアーベルやガロアが思い浮かびます。彼らの場合は本当に短い人生でしたが、ワイルズ氏やペレルマン氏の場合は、人生そのものは長くても、数学者人生は短い。数学者としての寿命を全うした彼らには、悔いはないのかもしれません。
このエッセーでは、さらに2003年にポアンカレ予想を解決したロシア人数学者ペレルマンのことにも触れており、彼もワイルズ同様、燃え尽きたのではないかと書かれています。
細く長く生きる数学者もいれば、この二人のように太く短く生きる数学者もいるということでしょう。太く短くというと、早逝したアーベルやガロアが思い浮かびます。彼らの場合は本当に短い人生でしたが、ワイルズ氏やペレルマン氏の場合は、人生そのものは長くても、数学者人生は短い。数学者としての寿命を全うした彼らには、悔いはないのかもしれません。
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