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サラリーマンのすらすらIT日記

IT関連を中心とした日々を綴ります。
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2013/05/24

「抽象代数の歴史」を読んでいます-その2

昨日、「抽象代数の歴史」に注目すべき内容が多いと書きましたが、まずそのうちの一つを紹介します。

3.2.1「代数的整数論」の項では、フェルマの最終定理をめぐって可換環論が発展してきた歴史が綴られています。クンマーが打ち立てた「理想数」(IdealZahl)の概念を洗練されたものにしたのが、デデキントが厳密に定義した「イデアル」(Ideal)。デデキントによるイデアルの定義は、次のようなものでした。

代数体Kの整数環Rの部分集合Iが次の2つの性質をもつとき、IをRのイデアルという:
(i)β,γ∈I なら β±γ∈I
(ii)β∈I ,μ∈R なら βμ∈I


これは現在用いられているイデアルの定義とまったく同じです。この本にはこのあとデデキントを次のように評しています。

こういうやりかたはデデキントの仕事に特徴的である。すなわち具体的な対象(この場合はある理想数で割り切れる円分整数全部の集合)から彼にとって興味のある性質(この場合は上記三演算で閉じていること)を抜き出し、さらにこの性質によってある抽象的対象(この場合はイデアル)を定義する。もちろんこれは現在では標準的な手法だが、デデキントの時代には革命的であった。


この文章は、以前「現代数学の難しさ」で私が書いた『AがPという性質を持つ。そこでAを一般化したものをA’と書き、「Pという性質を持つものをA’」と定義する、といった議論は現代数学でよく出てきます』とまったく同じ。つまりこの現代数学の手法の先鞭をつけたのがデデキントというわけです。

デデキントの偉大な業績は、抽象代数の発展に大いに寄与したことだけでなく、現代数学の考え方・方向性を示したことにもあるといえます。

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