サラリーマンのすらすらIT日記

IT関連を中心とした日々を綴ります。
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2013/07/11

論理的なエラリー・クイーン

いつも論理的な推理を披露するエラリー・クイーンですが、「ギリシア棺の謎」の新旧訳を読んでいて、改めて感じました。少し紹介してみます。

以下では直接結末の真相に触れる内容はありませんが、途中の物語の流れに言及することになるので、そのつもりで。引用元は創元推理文庫の井上勇訳です。

ハルキスの遺言状が行方不明になった事件、第5章でエラリーは分析します。「この問題に二つの付随的可能性があることに異議ないでしょう。第一は、いま現在、新しい遺言状は存在しないという可能性、第二は、いま現在、新しい遺言状は存在するという可能性です。まず最初の可能性を考えてみましょう。その遺言状が存在しないとすれば、(中略)破棄されたものを解されます。(中略)しかし(遺言状が入っていた)鋼鉄の箱が全然出てこないという事実は、この破棄説が当をえていないことを示しています。鋼鉄の箱の残物は発見されていません。(中略)したがってわれわれは、第一主要の可能性においては、袋小路に行き当たるわけです。いずれにせよ、遺言状が破棄されたのが真実であれば、これ以上、どうすることもできません。」

これに対し、サンプスンは「それが助言だというのか、そいつが。おい、君。そんなことくらい、みんな、こちらでもわかっている。君はまた、いったいなにをいおうとしているのかね」と批判します。

確かに当たり前のことを長々と弁じているだけのようにも思えます。しかしこれがいつものエラリーの論理的な考え方。このあと第二の可能性に言及して、「葬儀のとき、家から出て行って、それっきり帰ってこず、遺言状が紛失しているのが発見されてから、いちども捜査されなかったただひとつのものはなにか、ということを」と述べます。サンプスンも警視も「あらゆるものが捜査された。なに一つ見落としはない」と反論しますが、それに対するエラリーの結論がすばらしい「ハルキスの遺骸を納めた棺そのものですよ」。この言葉で誰もがぐうの音も出なくなります。そして翌朝ハルキスの棺を掘りかえすことになり、そこでハルキスとは別の殺害された死体を発見。事件は新たな展開を迎えます。

このように、エラリーの推理はすべての可能性を列挙してから、その可能性を一つずつつぶしていって、結論を導く。まさに数学的思考とも言えます。どの推理小説でも論理的な推理を展開するのでしょうが、エラリー・クイーンの作品はとりわけ隙のない論理を読者に披露してくれます。この辺りが数学好きの私が気に入る理由の一つかもしれません。

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