サラリーマンのすらすらIT日記

IT関連を中心とした日々を綴ります。
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2013/07/19

ヴァン・ダイン作品の設定に関する雑感

エラリー・クイーンの作品についていろいろと書いてきましたが、クイーンのデビュー3年前に彗星のごとく登場したヴァン・ダインについても再読しておこうと、手元にある「ベンスン殺人事件」を開いてみました。初めて読んだ時も感じたのですが、一風変わった設定になっています。

1.語り手の「私」

語り手の「私」はヴァン・ダイン。主人公の名探偵ファイロ・ヴァンスの友人ということで、ヴァンスの行くところにいつも"影"のように付いて行きます。そしてこの「私」が見たヴァンスの行動・考えを記録に残して、公開したという設定であると「ベンスン殺人事件」の"はしがき"に書かれています。ここに作者ライト氏(推理作家であるヴァン・ダインは本名ウィラード・ハンティントン・ライトなので、以下では小説の中のヴァン・ダインと区別するために、"ライト氏"と書くことにします)の小説の中での「視点」を明確にしておこうとする真摯さを感じます。

小説の手法として、主人公を三人称で書くか一人称で書くかは、作家としての大きな選択肢の一つ。三人称で書くと主人公が思ったこと・考えたことを、書き手がなぜ知りうるのかという疑問が生じます(いわゆる"神の視点"というもの)。19世紀まではあいまいに済まされてきたことですが、20世紀になって書き手の"視点"が問題視されてきます。また一人称で書くと客観性に欠けるきらいがある。そこでライト氏が採用した手法は、主人公を三人称で書き、「私」なる登場人物を設けたこと。主人公ヴァンスの"影"のようにいつもそばにいるわけですから、ヴァンスの一部始終を知りうる点について疑問の余地はありませんし、「私」も時折言葉を発することがあるので(ヴァンスに「ヴァン」と呼ばれている)、物語の設定上不自然さはありません。ちなみに「私」の職業は弁護士。

後にライト氏は「推理小説の20箇条」を発表し、語り手の設定についても言及していますから、この辺りは抜かりのないところでしょう。

2つ目は次回のネタで。

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