サラリーマンのすらすらIT日記

IT関連を中心とした日々を綴ります。
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2013/07/28

「ベンスン殺人事件」を読みました

「ベンスン殺人事件」の再読を終えました。以前読んだ時もそうだったのかもしれませんが、読後感は悪い。特にエラリー・クイーンを先に読んでいると、多くの欠点がやたらと目に付きます。いくつか挙げてみます。

1.ヴァンスが事件現場に来て5分で犯人がわかったのなら、なぜ言わない?

天才肌の探偵が出てくる多くの推理小説では、探偵が犯人の目星をつけてもすぐには言わないというのはよくあります。おそらくこの「ベンスン」発表の前後にもそういう作品があったのでしょう。しかしこのヴァンスはひどい。すぐに言わない理由をゴタゴタと述べますが、こんなものは理由になっていない。マーカムを小バカにした発言も多く、これではマーカムが怒るのも当たり前。読者もまた不愉快。胸糞悪いとはこのことでしょう。

2.なぜ警察・検察がきちんと証拠やアリバイ調べをしない?

ヴァンスがマーカムに代わって証拠やアリバイ調べをする場面があります。自分は犯罪心理の面から犯人がわかっているが、それではマーカムが納得しないからやっているんだ、とかなんとか言ってヴァンス自身がやるわけですが、なぜそんな基本的なことを警察や検察がしないのか?当時のアメリカではそうだったのでしょうか?(もしそうだとすれば社会批判という観点で、当時としては存在意義があったといえますが。)この小説の初めの方にヒースの言葉で「これは難事件ですよ」とありますが、捜査するべきことをしていないわけですからわかるはずもなく、読んでいて滑稽としか思えない。

エラリー・クイーンの登場はヴァン・ダインがあってこそと言えるので、その意味ではヴァン・ダインの功績は大きい。しかし残した作品はそれほどでもないと言えます(そういえば以前このように書きました)。

最近「ベンスン殺人事件」の新訳が出たようです。



立ち読みで巻末の解説を読みましたが、その中で旧訳の井上勇氏について書かれていました。インターネットがない時代に、よくこれだけのことを調べて翻訳したものだと、井上氏に対して高い評価をされています。井上氏はヴァン・ダインの全12作、クイーンの国名シリーズ全訳など数多くの推理小説の翻訳をされていますが、どちらの作品も衒学的な発言が多いため、引用元は○○だとか、歴史的な背景は□□だとか、訳注が非常に多い。余程の素養と地道な研究がないとこれだけの訳注は書けませんから、これには脱帽します。読者はこの訳注で多くのことを知ることができるので、そういう意味ではヴァン・ダインの作品を読む価値はあるかもしれません。

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