サラリーマンのすらすらIT日記

IT関連を中心とした日々を綴ります。
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2013/10/06

柳瀬訳「ユリシーズ」を借りてきました−「ユリシーズ」の読み比べ−その1

先週、図書館で柳瀬尚紀訳の「ユリシーズ1〜3」を借りてきました。柳瀬氏が公開しているのは、全部で18章あるユリシーズの部分訳で、その第1巻は第1章から第3章です。1997年刊行の初版で、巻末の解説はありません。



まず第1章の冒頭の訳がどうなっているのか、興味があります。原文、丸谷訳と比較してみます。

原文

Stately,plump Buck Mulligan came from the stairhead,bearing a bowl of lather on which a mirror and a razor lay crossed.


丸谷訳

押し出しのいい、ふとっちょのバック・マリガンが、シャボンの泡のはいっている椀を持って、階段のいちばん上から現れた。椀の上には手鏡と剃刀が交叉して置かれ、十字架の形になっていた。


柳瀬訳

ふんぞり返って、ふくらかなバック・マリガンが階段のてっぺんへ現れた。捧げ持つ石鹸の泡立つ丸い器にのせて、手鏡と剃刀が十文字にねかせてある。


北村氏の『ユリシーズ』案内に解説されている、「Statelyの訳を"威厳のあるゆったりとした"とすべき」という論にしたがっているのは、柳瀬訳の方。しかも語順まで原文に忠実になっています。

また、以前紹介した「ユリシーズ」のおもしろさ(1)には、この箇所は「ミサのもじりをやっている」と解説されています。つまり「階段」は「祭壇の階段」、「ボウル」は「ミサに用いる葡萄酒入りの聖餐杯」、そして手鏡と剃刀が十文字になっている。丸谷訳ではその辺のことが全くわからない訳になっていますが、柳瀬訳ではさりげなく「捧げ持つ」と書かれているわけで、さすがは柳瀬氏、細かいところまで気配りが行き届いています。

ユリシーズの最初の一文ですが、これだけの意味を含んでいるわけですから、この調子で全訳するとなるとこれは至難といえます。

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