サラリーマンのすらすらIT日記

IT関連を中心とした日々を綴ります。
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2013/10/11

「ユリシーズ」の読み比べ−その3

柳瀬訳の「ユリシーズ 4〜6」を借りてきました。また読み比べです。



第4挿話「カリュプソー」から。

原文

He crossed to the bright side, avoiding the loose cellarflap of number seventyfive.

丸谷訳

七十五番地の地下室のゆるんだ揚げ蓋を避けて、彼は陽の当る側へ渡った。

北村訳

彼は陽の当たる側へ渡り、75番地の地下石炭置場のゆるんだ揚げ蓋を避けて歩いた。

柳瀬訳

陽の当る側に渡り、七五番地のゆるんだ揚げ蓋をよけて歩く。

ここは、北村氏が丸谷訳に初めて疑問を抱いた箇所。実際に現地に行ってみて、時刻と太陽の位置を調べると、ブルームが住んでいる日陰の7番地から、日の当たる75番地に渡ったと考えられるので、丸谷氏の解釈は間違いではないかと。北村氏の著書には「(丸谷氏の)分詞構文の意味の取り違え」と書かれていて、専門家でもこういうことがあるんだな、と思ったものです。

ただ文法的には丸谷氏の解釈も成り立つのですが、現地で確認していないための間違いということで、北村氏は文学作品の翻訳にあたっては、現地踏査も必要と述べられています。

柳瀬訳は北村訳と同義。例によって"彼"といった代名詞を用いない翻訳です。前後関係からブルーム以外の人物が出てきていないので、主語を省略してもわかるというわけです。

私が感じた三者の翻訳ですが、北村・柳瀬両氏は原文を前から訳しています。これは中野好夫氏の翻訳方法。会話だと聞こえてくる順番に内容を理解するので、その通りに訳すべきということ。一方、丸谷氏は後ろから訳しています。受験英語で習ったやり方で、whichなどの関係代名詞があれば、「○○するところの〜」という後ろから訳すというあのやり方です。確かに日本語として自然になることが多いのですが、果たしてそれでいいのかが問題。そしてこの文の場合は、前から訳すべきだったことを考えると、中野氏の翻訳方法は正しいのかもしれません。

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